美味しいコーヒーより美味しい話。
世界にはたくさんの食べ物があります。
その食べ物のほとんどに、美味しさの階層があります。
100円の回るお寿司と
1500円の回らないお寿司。
300円のコンビニスイーツと
800円のキルフェボンのケーキ。
そんな風に。
でも、値段だけが美味しさじゃないというのも
この「美味しさ」の面白さだと思うんです。
1人で高いケーキを買って食べるより
2人で安いケーキをつつく方が美味しいときもある。
お店で紅茶を買って飲むより
ふうっと一息ついてお家で淹れた紅茶を飲む方が美味しいこともある。
シェアメイトの女の子が、
3人で食べようってアップルパイを買ってきてくれたんです。
トースターでパイを温め直して、
自分たちでインスタントコーヒーを淹れて、
3人で美味しいねと笑いながらほおばって。
アップルパイに美味しさ以上の付加価値がついて、
それが「美味しい」という言葉に還元される。
その場の雰囲気もコーヒーを淹れる過程も食器を用意する過程も、
すべてが美味しいを作り出している。
あ、きっとどんなに美味しいパイと美味しいコーヒーを食べてるときよりも、
今のパイとコーヒーの方が美味しい。
そう思えた、素敵な夜でした。