2017-06-13 大切なのは ひとりごと ある日、やせ細った月が言うのです。 「ねえマーニ、太陽をとって。 一緒にお空にいると とってもまぶしくって。」 「だめだよ、太陽をとったら困っちゃうよ。」 「誰が?」 「僕だよ。」 「どうして?」 マー二はきっぱり言いました。 「だって太陽をとったら君が いなくなっちゃうから。」 そしてこう続けました。 「そしたら夜に道を歩く人が迷っちゃうぢゃないか。」 「大切なのは 君が、照らされていて 君が、照らしている ということなんだよ。」 ( 月とマーニ / 小説「しあわせのパン」より)