なつのことば(本編)

等身大のわたしが綴る、等身大の毎日たち。

大切なのは

 

ある日、やせ細った月が言うのです。

「ねえマーニ、太陽をとって。

一緒にお空にいると とってもまぶしくって。」

 

「だめだよ、太陽をとったら困っちゃうよ。」

「誰が?」

「僕だよ。」

「どうして?」

マー二はきっぱり言いました。

 

「だって太陽をとったら君が いなくなっちゃうから。」

 

そしてこう続けました。

「そしたら夜に道を歩く人が迷っちゃうぢゃないか。」

 

 

「大切なのは

君が、照らされていて

君が、照らしている

ということなんだよ。」

 

 

( 月とマーニ / 小説「しあわせのパン」より)