なつのことば(本編)

等身大のわたしが綴る、等身大の毎日たち。

あめのおと ぽつぽつぽつと たのしそう 

 

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むかしむかし、ちょっと むかしの はなし。

 

あるところに、ひとりの 女の子がいました。

なまえは なっちゃん。小学2年生です。

 

6月の ある日。

雨が ふりつづいて、もう3日になります。

つゆの きせつでした。

 

なっちゃんと なかよしのお友だち4人は、

カサをさして 長ぐつをはいて、たまに ちゃぷんと 水たまりに入りながら

小学校へ むかいます。

 

「雨で五・七・五の はいく 作ろうよ。」とあいちゃんが 言いました。

みんな 大さんせい。小学校で はいく を習ったばかりだったのです。

 

「できたひとから 発表ね。」とかなちゃんが 言うので、

みんなは 一生けんめい はいくを考えました。

 

すこしすると、みんなは くちぐちに「できた!」と はいくを ひろうします。

 

 

 

 

ようふくが ぬれていやだな あめのひは

 

カサさして あるくのたいへん つかれるな

 

ざーざーと あめがふるから きらいです

 

 

 

 

なっちゃんは みんなの はいくを聞いて、

なんだか ひろうできなくなってしまいました。

はいくが 完成しないフリをして、

いつまでたっても いつまでたっても、だまっていました。

 

 

 

なっちゃんの、雨の はいく。

 

いったい どんな はいくだったのか、 

だあれも だれも、しりません。

 

 

むかーしむかし、ほんとか うそか わからない、ちょっと むかしのはなし。